アムジェン・インコーポレイテッド社の特許「片頭痛の治療または予防法」(特開2020-143115)を読む

特許明細書

アムジェン・インコーポレイテッド社の特許「片頭痛の治療または予防法」(特開2020-143115)を読みました。

出願人のアムジェン・インコーポレイテッド社は、アメリカカリフォルニア州ロサンゼルス郊外のサウザンドオークスに本社を置く世界最大の独立バイオテクノロジー企業です。細胞生物学と分子生物学に基づく治療薬の開発、製造、販売を展開しており、特に循環器疾患、がん、骨疾患、神経疾患、腎疾患、炎症性疾患の6つの疾患領域に重点を置いた開発を行っています。

本特許は、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の受容体を選択的に阻害する完全ヒトモノクローナル抗体製剤を用いた片頭痛の治療または予防法に関して記載されたものです。

【発明の背景】
片頭痛は、世界中に非常に広く蔓延している疾患であり、欧州人口の約15%及び米国人口の12%が、片頭痛発作に苦しんでいる。その上、片頭痛は、抑鬱及び血管障害など複数の精神科及び医科の共存症を伴うことがわかっている。
片頭痛は、一般的に、主に鎮痛薬及びトリプタンと呼ばれるクラスの薬物を用いて、急性的に治療されるが、循環器疾患がある場合は禁忌となる。また、多くの片頭痛患者は、トリプタンに対する反応が良くない。
また、片頭痛患者人口の約40%が、予防的治療の恩恵を受けると思われるが、どの予防的治療かを問わず、利用可能な予防的治療に伴う限定された有効性ならびに認容性及び安全性の重要な問題が一因となって、患者の約12%しか予防的治療を受けられていない。
すなわち、片頭痛患者は、より有効な及び/または認容性のある治療選択肢を医療上今すぐに必要としている。

【解決しようとする課題】
片頭痛の発生を予防または減少させることを必要としている患者に、有害副作用をもたらさずまたは最小限にとどめて、そのような予防または減少を有効にもたらすような方法を提供すること。

【解決手段】
患者に、抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体抗体またはその抗原結合断片を含む医薬組成物を、1ヶ月あたり約35mg〜約210mgの用量で投与する又は1ヶ月あたり約70mg〜約140mgの用量で投与する。

コメント