SBIファーマ株式会社の特許「免疫寛容の誘導促進剤」(特開2016-106113)を読む

特許明細書

SBIファーマ株式会社の特許「免疫寛容の誘導促進剤」(特開2016-106113)を読みました。

既存の免疫抑制剤を使用せずに、拒絶反応を抑制することができる移植臓器生着促進剤や、ドナーから摘出後の臓器の鮮度を維持しうる臓器保存液等に関して記載された特許です。
出願者のSBIファーマ株式会社は、5ーアミノレブリン酸(5ーALA)を用いた医薬品、化粧品、食品および医療機器の研究開発、製造、販売を行っている会社であり、本特許は、その5ーALAを用いた移植臓器生着促進剤に関するものです。

【発明の背景】
移植後の移植臓器の機能廃絶の最も大きな原因である拒絶反応を防止するためには、免疫抑制剤を長期服用する必要があるとされる。しかしながら、免疫抑制剤の長期投与により感染症や腎障害、糖尿病、リンパ組織増殖症、悪性腫瘍、心血管系合併症など重篤な副作用を引き起こすという懸念があり、厳密な管理が求められている。近年、投与薬剤量の減量を目的に、T細胞を抽出し、特殊な抗体と混合培養し体内に戻す方法等の人工的な免疫寛容誘導方法が開発されているが、免疫抑制剤の減量は可能となるものの、細胞培養期間が数週間必要となり手順が煩雑であることや、脱毛等の副作用がみられたことから、普及するまでには至っていない。他にも実験的には種々の寛容誘導システムが開発されているものの、実際に臨床応用がなされているものはほとんどない。

【解決しようとする課題】
安全かつ従来の薬剤とは作用メカニズムの異なる、臓器移植における移植臓器の生着を促進することができる移植臓器生着促進剤や、ドナーから摘出後の臓器の鮮度を維持しうる臓器保存液等を提供すること。

【解決手段】
ALA類単独、又はALA類と鉄化合物とを有効成分とする移植臓器生着促進剤及び臓器保存液等を確立する。

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