アムジェン・インコーポレイテッド社の特許「複素環式化合物及びそれらの使用」(特開2019-048830)を読みました。
オメカムチブメカルビルは、心臓の収縮機構を直接標的にするように設計された選択的心臓ミオシン活性化剤で、急性心不全及び慢性心不全の治療薬として使われています。この特許は、そのオメカムチブメカルビルを用いた効果的な持続放出製剤を提供する方法に関して記載されたものです。
薬剤を同定する方法として、「粉末X線回析法」が使われています。「粉末X線回析法」とは、X線が結晶格子で回折を示す現象を利用し物質の結晶構造を調べる回析法のことで、回折パターンの比較を行うことで、同定を行うことができます。
参考:X線分析法の基礎と応用
【発明の背景】
現在の強心薬は、細胞内カルシウムの濃度を増加させ、それによって心筋サルコメア収縮性を増加させる。しかしながら、心筋収縮の速さが増加することで収縮期の駆出時間を短縮するため、生命を脅かす可能性のある副作用につながる。これとは対照的に、心筋ミオシン活性化因子は、収縮期の駆出時間を延長し、潜在的により酸素効率の良い様式で心筋収縮性及び心拍出量の増加を生じる。
心臓ミオシンの直接的活性化因子であるオメカムチブメカルビルは、静脈内投与製剤及び経口製剤の両方で可能性のある心不全の治療薬として評価されており、病院内及び外来患者の設定において患者のためのケアを連続させることを新たな目標としている。しかしながら、オメカムチブメカルビルの標準的な放出製剤及びいくつかの持続放出製剤が与えるピーク対トラフ比は高すぎて、慢性または予防の設定において薬物を必要とする患者へ安全かつ効果的な量を提供することができていない。そのため、効果的な持続放出製剤が患者の安全性及び有効性を増加させるために所望されている。
【解決しようとする課題】
急性心不全及び慢性心不全の治療薬であるオメカムチブメカルビルの効果的な持続放出製剤の提供。
【解決手段】
オメカムチブメカルビルを含む薬物層と、膨潤剤層と、少なくとも1つの送達ポートを有する半透膜コーティングとを含む医薬製剤を提供する。
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