アムジェン・インコーポレイテッド社の特許「温度感知制御を含む薬剤送達システム」を読む

特許明細書

アムジェン・インコーポレイテッド社の特許「温度感知制御を含む薬剤送達システム」(特開2019-193803)を読みました。

薬剤送達及び/又は薬剤送達システムの温度感知制御を含む薬剤送達システムに関して記載された特許です。皮下及び筋肉内注射において、カニューレもしくは針を介した薬剤投与を要する患者への安全で効果的な薬剤送達を確保することを目的とし、特に薬剤送達及び/又は薬剤送達装置の動作の制御にあたって温度変化を考慮し開示されたものです。

【発明の背景】
患者が皮下及び筋肉内注射により薬剤の投与を受ける際、皮膚を通してカニューレもしくは針を挿入し体内の適切な深さに針を位置させる際の動作の再現性を達成すること、そして、患者に対しカニューレもしくは針を介した投与を行う際の送達速度の再現性を達成することについて多大な関心が払われてきた。
送達速度の再現性の達成には、注射器もしくはカートリッジ内部でプランジャを動かす際の動作の再現性が関係してくる。保存されたエネルギーを制御しながら開放し針を患者に刺し入れ、さらに、注射器もしくはカートリッジの中にプランジャを押し込むための様々な機械装置が設計されている。ばね、モータ、化学反応、相変化材料はいずれも針及び/又はプランジャを動かす推進力として検討されてきた。

【解決しようとする課題】
薬剤及び/又は装置の動作を温度に応じて変化させることができ、広範な環境的、動作的条件の下で、薬剤送達が安全、快適、かつ予見可能であるように、制御部が含まれている薬剤送達装置において、制御部により種々のばねやモータの動作が所定の順序に従って起きるように確実に起動させる。

【解決手段】
貯蔵器とロック状態とロック解除状態を有する安全装置を備える薬剤送達装置、温度センサ、使用者に対し薬剤送達システムの動作状態の変化を視覚的および/または聴覚的に警告するように構成された出力装置、制御部を備えた薬剤送達システムを提供する。
具体的には、貯蔵器に配置された薬剤の温度が上限より高いか、下限より低いか、上限と下限の間にあるかを制御部にて判定し、温度が上限より高い場合または下限より低いの場合には、使用者に対し警告するために前記出力装置を少なくとも1回起動し、前記安全装置をロック状態し、一方、温度が上限と下限の間にある場合には、前記安全装置をロック解除状態にするシステムを提供する。

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