アボット・ラボラトリーズ社の特許「NS3捕捉ペプチドを使用して対象の抗HCV抗体を検出するアッセイ」(特開2021-63827)を読む

特許明細書

アボット・ラボラトリーズ社の特許「NS3捕捉ペプチドを使用して対象の抗HCV抗体を検出するアッセイ」(特開2021-63827)を読みました。

この特許は、NS3捕捉ペプチドを使用して試料中で対象の抗HCV抗体を検出するための方法、キットおよび組成物について記載されたものです。


【背景技術】
WHOの統計によると、世界中で1億7000万もの人が、肝臓のウイルス感染であるC型肝炎ウイルス(HCV)に感染している。HCVに感染している人の75-85%が慢性感染まで進行し、これらの症例のおおよそ20%が感染の20年後肝硬変または肝細胞癌腫を含む慢性C肝炎の合併症を発症する。
HCV感染に対する現在推奨される治療はインターフェロンとリバビリン薬の組合せであるが、前記治療はすべての症例で効果的であるわけではなく、C型肝炎関連末期疾患では肝臓移植を必要とする。現在、HCV感染を予防するためのワクチンは入手可能ではなく、感染を避けるためのあらゆる予防策を講じなければならない。したがって、感度の良いHCV検出するための方法、キットがとても重要であるといえる。

【解決しようとする課題】
NS3捕捉ペプチドを使用して試料中で対象の抗HCV抗体を検出するための方法、キットおよび組成物を提供する。

【解決手段】
少なくとも2つのNS3ヘリカーゼ(NS3h)捕捉ペプチドおよび少なくとも2つのコンジュゲートペプチド(例えば、NS3hコンジュゲートペプチド)が一緒に用いられ、これにより1ステップタイプのアッセイにおいて広いダイナミックレンジの対象の抗体検出が可能になる。また、還元剤を使用せずにNS3特異的対象の抗体を検出する方法を提供する。さらに、NS3特異的対象の抗体はNS3コンジュゲートペプチドの「ダブルショット」(例えば、洗浄の前と後の両方で試料に添加されるコンジュゲートペプチド)を用いて検出する。

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