UNIVERSITY LELAND STANFORD JUNIORの特許「同種造血幹細胞移植の増強」(特願2013-549494)を読みました。
同種造血細胞移植(HCT)後に混合造血細胞キメリズムの完全ドナーキメリズムへの変換を増強するための方法と組成について記載された特許です。
「混合造血細胞キメリズム」とは、ドナーと患者の両者に由来する細胞が混合している状態、また「完全ドナーキメリズム」とはドナー由来の細胞が正常に生着した状態のことをさします。
【発明の背景】
同種造血細胞移植(HCT)は、白血病及びリンパ腫の患者にとって、特に患者が移植時に完全寛解であるときは、根治的な治療となり得るが、移植の時に患者が部分寛解である場合、及び骨髄非破壊的な移植前治療が行われた時に完全キメリズムよりもむしろ混合キメリズムが発生する場合、進行性疾患又は再発の危険性は相当に高くなる。
新しい薬及び改良された薬の組み合わせにも関わらず、現在の治療は未だ多くの型のがん又は異なったステージのがんに有効でない。改良された投与計画と治療が、がん治療に大いに求められている。
【解決しようとする課題】
精製されたドナーのリンパ球サブセットを加える同種造血細胞移植の後に、移植片対宿主病(GVHD)の主な合併症を引き起こすことなく腫瘍細胞を殺すためのがん(白血病、リンパ腫が含まれるがこれらに限定されない)治療を増強するための組成と方法。
【解決手段】
実質的に精製されたドナーのメモリーCD8T細胞をドナーリンパ球輸注(DLI)として同種HCTの後に利用することで従来のDLIを進歩させる。これらの方法はより完全なドナーキメリズムを提供し、腫瘍細胞を殺す更なる利点がある。
コメント