田辺三菱製薬株式会社の「造血幹細胞及び造血前駆細胞の増幅方法」を読む

特許明細書

田辺三菱製薬株式会社の「造血幹細胞及び造血前駆細胞の増幅方法」(特開2005-204539)を読みました。

未分化の造血細胞をより未分化の状態で増幅する方法、及び無血清培地での造血細胞の増幅方法について記載された特許です。
出願者の田辺三菱製薬株式会社(Mitsubishi Tanabe Pharma Corporation)は、大阪府に本社を置く日本国内の大手製薬企業で、「医療用医薬品」を中心とした医薬品の製造・販売を主に行っている会社です。

【発明の背景】
再生医学(再生医療)では、一つの方向性として、生体組織のできるだけ大きな潜在的修復能力を引き出す方法を開発することが挙げられるが、そのためには細胞増殖と細胞分化および組織構築を調節する制御因子の働きを解明して利用することなどが求められる。
その一方で移植治療に用いる細胞を体外培養によって増殖させることが必要になるため、組織幹細胞のように長期間自己増殖しながら多種類の機能細胞を作り出すことができる幹細胞が注目されている。

解決しようとする課題】
再生医療における基盤整備の一つに、目的とする細胞の培養技術が挙げられるが、この技術には、安定的、大量、安価、早く、かつ簡便に目的細胞を増殖(分化・増幅を含む)させられるレベルであることが要求される。
再生医療の場において、特に該細胞として汎用される臍帯血のエクスビボ増幅(ex vivo expansion)、臍帯血前駆細胞の増幅培養の技術を臨床応用するために無血清培養法の確立が重要な課題となっている。

【解決手段】
ヒト血清アルブミンを用いることにより、従来法と比べて、造血細胞の分化を抑制しつつ、造血細胞を効率的に増幅し得ることを可能にする。

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