アボット・ラボラトリーズ社の特許「白血球を分析するための試薬、システム、及び方法」(特開2020-064064)を読みました。
この特許は、試料中の白血球(WBC)及びWBC亜集団を同定、分類、及び/又は定量するために使用することができるWBC分析試薬、システム、及び方法について記載されたものです。この分析で使われているフローサイトメモリーの概要、測定手順について確認しながら読み進めました。
【発明の背景】
全血試料中の白血球(WBC)の正確な計数及び分類は、自動血液分析装置による診断に必要不可欠な手順である。WBC分析は、通常、全血試料中の赤血球(RBC、erythrocytes)の溶解およびWBCの保存を行った後、血液学的分析器を用いて実施するが、分析を容易にするために、1つ以上のWBC試薬を必要とする。
白血球の計数および鑑別の質は、分析を実行する方法および関連試薬に大きく依存する。頑健なWBC分析試薬を調合することは、血液産業における最重要課題の1つであり、頑健な白血球測定試薬は正確な白血球測定につながる。血液試料が十分に溶解されていない場合、WBC分析の妨げになり得る。また、血液試料が過剰に溶解された場合、WBCの分類は、WBCの細胞膜への過度の損傷によって大きく影響される可能性がある。
したがって、これらの目的を達成することができる、改良されたWBC分析試薬、システム、および方法が必要とされている。
【解決しようとする課題】
全血試料を分析し、試料中の白血球(WBC)及びWBC亜集団を同定、分類、及び/又は定量するために使用することができるWBC分析試薬、システム、及び方法を提供する。
【解決手段】
本特許のWBC分析試薬は、一般的に、少なくとも1つの膜透過性蛍光色素と、WBC保護試薬と、界面活性剤とを含む。またいくつかの実施形態では、WBC試薬のモル浸透圧濃度を所望の範囲に調整するために、好適な量のモル浸透圧濃度調整成分を含み、複数の検出器から(1)軸方向光損失、(2)中間角度散乱、(3)大角度偏光側方散乱、(4)大角度偏光解消側方散乱、及び(5)蛍光の測定値を受け取り、全ての5つの測定値に基づいて、蛍光閾値を超える蛍光を放射する粒子について、血液試料のWBC差異分析を実施する工程を含む。
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